TOP >> ほーりー 江戸を斬る!>> 浅草編:絵馬堂
ほーりー 江戸を斬る!
古代、祈願するのに寺社に生きた馬を奉納していました。だけど、そんなこと、なかなかできない。せめて気持ちだけでも……ということで絵に描いた馬を奉納するようになったのが、絵馬の始まり。江戸時代には馬だけではなく、奉納する人によってさまざまな画題がとられるようになり、絵馬鑑賞が寺社参詣の楽しみの一つになっていました。とりわけ浅草寺は、有名人が奉納する絵馬が見られることでたいへん人気があり、絵馬堂は、庶民にとっての美術館のような場所になっていたようです。よく見てみると、腰掛が置かれていますから、休憩所も兼ねていたのかもしれません。 絵馬の中には600年以上前から浅草寺に伝わるものがあり、そこに描かれた馬が夜毎に額を抜け出し、境内の草を食べ田畑を荒らしていたので、左甚五郎(ひだりじんごろう:江戸前期の建築彫刻の名工)に依頼し、引き縄を書き添えたところ、これがおさまったという、いわくつきのものもあったそうです。「江戸名所図会」の本文では、引き綱は後で書き添えたものではない。絵をみれば明らかである、と書いてありますが、馬が額から抜け出すことに関しては「妄誕(もうたん)に似たりといへども、その証とするあり」と、数々の伝説を引き合いに出して肯定しています。今だったら迷信と片付けられそうなことでも、当時は霊験として受け入れられていたんですね。そういう江戸人の感性、なんだかいいなぁ。
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