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ほーりー 江戸を斬る!
江戸人にとっては四季の移ろいも楽しみの一つ。特に二軒茶屋には多くの雪見客が訪れました。初雪の頃は江戸の喧騒に疲れた人々が集い、酒を酌み交わしながら閑雅な風情を楽しんだといいます。絵の中をよく見ると、雪化粧の庭園が見渡せる上座に座っているのは関取風の男性。富岡八幡宮は勧進相撲発祥の地ということもあり、力士を接待するには最適の場所だったようですね。手にしているのは武蔵野と呼ばれる大盃。名前の由来は、武蔵野の野は、見つくされぬ(程広い)→のみつくされぬ飲み尽くされぬという洒落だそうです。今でも優勝力士は朱塗りの武蔵野で日本酒をぐいっとやりますね。
奥の男性二人は太鼓持ちの男芸者でしょう、当時の座敷遊びにはなくてはならい盛り上げ役でした。「イッキ! イッキ!」とコールをかけているのでしょうか? 下座に座りながら一番風格があるのが、恐らくこの宴席のパトロンである豪商でしょう。その横にはコンパニオン役の辰巳芸者の面々が。関取のイッキに興味深々です。
しかし、冷静に考えたら、これだけ雪が積もったら、絶対寒いですよね。雪見の席なので四方開け放っていますから、体感的には冷蔵庫の中で宴会しているような感じではないでしょうか。大きな火鉢が一つありますが、有無を言わさず、パトロンのおじさんが独占していますし。しかし、みんなそれほど厚着をしている様子がありません(パトロンのおじさん以外)。よく見ると、御膳を運んでいる女中さんは裸足です! 寒い時は寒さまでも楽しむというのが江戸人流というところでしょうか。節電の冬、見習いたい精神です。
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