2020年にオリンピック開催が決定し、大いに沸き立つ東京。ここは、かつて江戸と呼ばれていたことは、皆様ご存じのとおり。
　江戸といわれても、あまりピンとこないと感じる方も多いと思いますが、意外と今に通じることもあったりするんです。

　たとえば、江戸開府を行ない初代将軍となった徳川家康が、あの豊臣秀吉に対しとった態度から自分を一番高く売るテクニックなんていうものも学べたりします。
ある戦いの後、天下統一のために家康をどうしても味方にしたかった秀吉、あの手この手でくどき落とそうとするのですが、約2年にもわたり家康は「YES」という返事をしなかったのです。その間、家康の希少性は秀吉の中でどんどん高まり、その結果、自分を最も高い価値で売ることに成功。大きな領地をもらいナンバー2としての地位を確固たるものにしたのです。
　実はこれ、「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」という手法で、希少性を高めることで、よけい欲しくなってしまうという「希少性の原理」を利用したもの。“限定！”とか、“残り僅か●個！”と言われると、つい買ってしまうというのも同じ原理です。

　ちょっと気になる男性からお食事のお誘いなどがあった時、すんなりお受けするのもいいですが、「ごめんなさい、その日、予定が入っているの」と、やんわりとじらしてみる。相手は一度断られたことで気持ちが高まり、あなたをより特別な人に感じてしまうかもしれません。つまり、断ることで、何故かあなたの価値が上がってしまうのです。
　ただ、何事にもさじ加減が重要で、あまり希少性を高めすぎても高嶺の花って思われ、敬遠されてしまうかもしれませんが……。

　現代に通じる江戸時代の知恵や文化などを紹介しているBS-TBS「謎解き！江戸のススメ」（毎週月曜日22:00～22:54放送）。11月4日の放送では、そんな権謀術数に長けており家康すらも操っていた（？）という僧侶・南光坊天海（なんこうぼう てんかい）と京都の呉服商・茶屋四郎次郎（ちゃや しろうじろう）の人物像を掘り下げますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
　ちょっとワンマンな上司やジコチューなパートナーを上手く操縦するヒントになるかも!?